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Matt Ridley, 「赤の女王」メモ


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第1章「人間の本性」

What is HUMAN NATURE?
                --C'est SEX.

                --a priori & a posteori

                --it's universal.

Red Queen hypothesis


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第2章「大いなる謎」

P38ブレーの坊さん仮説
坊さんは君主の交代に応じてさっさと宗旨替えをする。
同様に有性生殖する動物には適応性があり、いつでも変化に応じられる。
→「性は遺伝子自体を変化させることなく、その組み換えによって新しい組み合わせを生み出すプロセスなのだ」
新しい遺伝子をより早く普及させる

P42「人間のライバルは人間である」
「ある哲学者がクマに襲いかかられたときのことである。二人は一生懸命逃げたが、途中で論理的思考をする友人がこう叫んだ。
『むだだ。しょせんクマより速く走るなんてできやしない』
すると哲学者はこう答えたのだった。
『クマより速く走る必要はないのだ。ただ、君より速く走らなければならないだけだ』

P44ジョージ・ウィリアムズ著「適応と自然淘汰」
「利己学派の理論」:個体の利己的な行動から生じる集団的効果
「ただ、個体と集団の利益が一致している場合にのみ、自己犠牲的に行動することがるというだけのこと」

<なぜ有性生殖なのか?>
コピーの原本説:遺伝子修復説
 エラーの起きない原本を皆で共有するため
ミラーのラチェット
 セックスを剥奪された原生動物には悪い突然変異が徐々に蓄積されていた
 「利己的な」遺伝子の挿入を修正するため
〜〜何れも遅い


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第3章「寄生者のパワー」

他とちょっとばかり差をつける技
 「アブラムシ・ワムシ」モデル
  環境が変動したり過酷になると有性化する?
   無性生殖…ローリスク・ローリターン(多様性は少ない)
   有性生殖…ハイリスク・ハイリターン(多様性=適応可能性が大きい
  …結局はボツ:高山では無性が多い

「草のからみあった土手」説
  環境の危機ではなくて、むしろ個体の過密化によって有性化する
  …結局はボツ:条件は変化し続けるので働かない

コンドラショフの仮説

「赤の女王」仮説
  宿主と寄生者のイタチごっこ。
  binding proteinを巡る競争。
  有性ならば「錠前の図書館」を持っている

P100ハミルトンの疾病説
 「性の本質とは、目下のところは役に立たなくても、将来再び利用できる見通しのある遺伝子を貯蔵しておくという点にある。性は、こうした遺伝子を絶えず組み合わせに加えながら、それを不利にしている原因がどこかに行ってしまう日を待っているのである」

P115キノコの性
多くのキノコは有性であるがオスは存在しない。
何万もの性をもっていて、自分と同じでなければよい

<なぜ、性は二つきりなのか?>


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第4章「遺伝子の反乱と性」

「利益は個人的に独占し、損失だけを全体で分かち合う」
「個人は一方的に富み、村は一方的に貧窮する」
「ただ乗りをする人間は、善良な市民の犠牲のもとに利益を得るのである」

なぜ人間は雌雄同体ではないのか−ゲノム内闘争・ただ乗り遺伝子と無法者遺伝子の対決
P120「遺伝子は自分の生存の可能性を高めるためにそれを行っている」=効果的な戦略
「人間の知性は、社会の構成員間の自由な競争が、全体の利益として還元されるような社会を構築する道を見つけるには至っていない」

P123バクテリアの接合
P124トランスポゾン

P127染色体上の兄弟殺し
→交叉はこれを防ぎ公平な分裂を保つための制度

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P134「オルガネラを提供する殺人者と、オルガネラを提供しない犠牲者」
<融合(本来ならオルガネラも混合)による交叉>
→オルガネラの生殖を譲る代わりに、核の生殖を実現させるため
→核のみを送るようになる

※融合によるセックスを行う種では、ほぼ例外なく性は二つ
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P139オルガネラの反乱@雌雄同体←オス殺し遺伝子
エネルギーや資源の分配

P141「メス殺し遺伝子」
     「こうして、性は二分されたのである」

P143「性比歪曲者」の遺伝子

P149 「小さければメスになれ。大きければオスになれ」
裕福で満たされているならオス、貧しければメス
 息子…ハイリスク・ハイリターン<立派ならよいが…>
 娘 …ローリスク・ローリターン<立派でなくても…>
P154「条件に恵まれた両親はオスを多く産み、条件の悪い両親はメスを多く産む。このことは、一夫多妻の動物たちに顕著である」

P160「母親の社会的地位が子供の性別に影響を与える」かもしれない
社会的地位→ホルモン分泌→膣内酸性度


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第5章「クジャク物語」

あの女が美人に見えたのか。
それは他に女がいない時に
君が両のまなこで、あの女一人を
釣り合わせているからだ。
今度は、その水晶の計り皿に
一方には、君が恋いこがれる女
もう一方には、私が宴で引きあわせる、
別の女を載せて計り比べてみるがよい。
今は最高に思えるあの女が
少しかすんで見えたら上出来だ。
  シェークスピア「ロミオとジュリエット」第一幕第二場

〜性淘汰の理論〜 人間性のおおかたが、この性淘汰によって説明がつく。

P176「オスは子育てに少ししか投資せず、多数の交尾相手を求め、メスは子育てに多くを投資し、交尾相手に質を求めるのである。
その結果オスはメスの気を引こうと互いに競い、メスより多くの子孫を残す可能性と、どの子供の父親にもなれない可能性の両方をあわせもつことになる。結局オスは一種の遺伝的なふるいの役目をしているのだ。優秀なオスだけが繁殖し、劣ったオスが絶えず繁殖場面から消えることで、劣った遺伝子を絶えず種全体から除外しているのである」

P178「お金のために結婚するのか、子孫を残すためにか、それとも相手がきれいだからなのか?」

P180
鳥類のオスの羽飾りはメスをひきつけるためだけのものであって、それ以外に使い道はない。オス同士が戦うときや捕食者から逃げるとき、尾羽は大事そうにたたまれている

P184専制的な流行
※メスの選り好みには深刻な事情はない
単に、選り好みに勝てるオス(優秀な遺伝子)を選びたいだけ
→その子孫も選り好みに勝てる可能性大
フィッシャー「この過程によって影響を受ける二つの特質、すなわちオスの飾り羽の発達と、メスの異性に対する好みは、このようにいっしょになって進化してこなければならず、そのプロセスは、厳しい逆向きの淘汰によって歯止めをかけられないかぎり、ますます加速的に進んでいく」

P188「レックのパラドクス」
 クリームの上澄みばかりとっていくと…

P189 「セクシーな息子説」vs「健康な子供説」
  ・選り好みのコスト
  ・美の維持のコストと突然変異による失いやすさ
  ・美と健康の相関P200
    ハミルトンーズックの説が成立するための条件
     1.宿主と寄生者の定期的な遺伝周期を示す証拠
     2.装飾は寄生者がないことを示す特に有効な手段であること
     3.メスは2.の事実に拠って最も抵抗力のあるオスを選ぶこと
  ・美というハンディキャップ〜ゆとり
  ・選り好みのコストが大きい場合には、健康なオスが選ばれる
「クジャクはフィッシャー説で、ツバメは優良遺伝子説となる」

P209 「嘘をついてもうまくいかない」
装飾に費やすコストと、免疫に費やすコストのトレードオフ
…が、装飾によって免疫についての弱点を誤魔化してメスを騙すことができれば?

P213
若い女性のウエストはなぜ細いか?
…骨盤の大きさを強調(小ささをカモフラージュ)するため

P224ポミアンコウスキーの主張
「まずオスの個々の形質は偶然の突然変異によって始まったと考える。その変異がたまたまメスの感覚の偏向とぴたりと合うと、その形質は広まり始める。それが広まるにつれ、フィッシャー的効果が現れ、オスの形質とメスの好みはともに誇張されるようになる。やがてオスの形質がすべてのオスに広まるところにまで到達し、もはやメスがその流行に従う意味はなくなる。メスによる選り好みはコストがかかるという事実による圧力がかかり、この流行は下火となり始める。何もないならば、いろいろなオスを比べるのは、メスにとって時間と労力の無駄である。コストが小さいときには、フィッシャー的効果が消える速度は遅い。…なかには消えない形質もある。その形質が持ち主の隠れた健康状態を映し出す場合である」


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第6章「一夫多妻制と男の本性」

「この世に女がいなければ、世界中の富とてこれぽっちの価値もない」アリスタトル・オナシス
「権力とは究極の催淫剤である」ヘンリー・キッシンジャー

P231「男はケダモノ」
    オス…誘惑のコストが小さい
    メス…誘惑は即、子育てなどのコストにつながる
P239「九ヶ月の妊娠期間に対し、かたや五分の快楽」

P243ジョン・メイナード・スミスのゲーム理論の記述
「一夫多妻の閾値モデル」
オスAが与える富P_A、妻n人、オスBが与える富P_B
P_A/n > P_B
のとき多妻が成立する。

P246 配偶システム理論の四つの法則
 1.メスが一夫一妻の忠実なオスを選ぶことで繁殖成功率が上がれば一夫一妻が生じる
 2.そうでなければオスがメスに強要できる
 3.メスが既婚のオスを選んでも繁殖成功度が下がらなければ一夫多妻が生じる
 4.既に配偶下のメスがオスの再婚を阻止できれば一夫一妻が生じる
「誘惑で積極的な役割を果たすオスが、結婚という自分の運命では消極的な傍観者になるのだ」

P252
歴史の生態
	400万年前 草食アウストラロピテクス
	 …植物の採集が困難に
	160万年前 肉食ホモエレクトス
	「肉食に至った原因は生態であるが、その結果は分配と社会生活である」
	 集団で狩猟などをするようになる

	その後100万年は似たような生活:EEA(進化的適応環境)

P254
EEAの否定
	1.他者の存在:「我々の脳がこんなに大きくなったのは、道具を作るためではなく、互いの心理を読むためである」
	2.適応性が高くなるようにデザインされていること:環境に応じて配偶システムを変えられる

P258 
・富は妻を買うだけではなく、権力を買うこともできるようになった
・「ルネッサンス以前では、富と権力を区別するのは難しかったということは注目に値する。そのころまでは、権力機構から独立した経済分野というものは存在しなかったのである。男の生計は忠誠とセットで同じ社会的優越者の恩恵を被って成り立っていたのだ。大雑把に言えば、権力とは命じたとおりに行動する味方を集める能力で、完全に富に依存している(暴力の助けを少し借りるが)。」次段「権力の追求はあらゆる社会性哺乳類の特徴である」
・富→権力同盟<動物:報酬は性的なもの>

P260 「結婚とは、男の権力と財産を女の生殖能力と交換する取引であったといってよいだろう」

P267「人類が類人猿の祖先から受け継いだ性向の一つは、集団間の暴力である。1970年代までは、霊長類学者たちは、類人猿は非暴力の社会に住む平和な生き物であるという世間一般の偏見を確認するのに忙しかった。やがて彼らは、チンパンジー社会の、ごく稀であるがより悲惨な面を観察し始めた。チンパンジーの『部族』のオスは、時として他の部族のオスに対して暴力行動を起こす。敵を探し出し、殺すのである。この習性は、他の動物のなわばり制とは大きく異なる。なわばりを奪うこともあるだろうが、それはきわめて危険なわりには見返りが小さい。勝利を収めたオスの連合に用意された、もっと大きな見返りとは何か? 破れた群れの若いメスが彼らの群れに加わるということである。
 もしも戦争というものが、メスをめぐるオスの類人猿のグループ同士の敵対心から直接受け継がれたものであり、領土は単にセックスを得るための手段にすぎないとしたら、部族民たちは領土よりも女性が目的で戦争に行くと考えられる。人類学者はながいあいだ、希少な物質的資源、とりわけ頻繁に不足した蛋白源をめぐって戦争が行われると主張してきた。… 『胃袋が戦争の原因だと認めることは許されても、生殖腺が原因だと認めることは許されなかった』のである。」


P269「マンガンゴの実を手に入れることの唯一の意味が女を獲得することであるなら、なぜわざわざマンガンゴの実をめぐって戦うのか? 女をめぐって戦えばよいではないか」

	→<人類の人口が超過しているのは、技術の進歩ではなく、法律の普及のため?!>

P271 「軍隊はしばしば愛国心や恐怖だけではなく、勝利によって得られるレイプの機会が励みになって、鼓舞されてきた」

<配偶制度についての民主主義!>


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第7章「一夫一妻制と女の本性」

ジョナサン・スウィフト「女についての優しい木霊」


P277 
「女性は、セックスのチェスゲームにおける積極的な対戦相手であり、みずからの目的をもっている」

<オスによる子殺し>→メスの授乳を止めて再び発情させる<速攻!>

・決定順
食料の分布→メスの社会パターンと分布→オスの社会パターンと分布

P285 
女性の特徴
	1.一夫一妻を常に求める
	2.セックスの多様性そのものを求めない
	3.時として不実である

オスの不倫衝動
	より多くの子孫の父親になれる可能性があるから
メスの不倫衝動
	ボヴァリー夫人戦略:平凡或いは立派な巣をもっているオスと番いになり、かつ遺伝子的に優秀な隣人と関係を持つことが最上の戦略。

P295 
メスの進化競争「自分の望む条件でしか受胎しないように洗練されたテクニックを進化させた」
オルガスムスと妊娠率と相手の関係。女性の方が一歩上手…オルガスムを装えるらしい。
<ずっと一緒にいる女性に対しては…?>

P300 他の類人猿と我々を分け隔てている最も基本的な三つの人間的な特性
	1.性による分業
	2.子育てを目的とした結婚制度
	3.言語の発達
は、互いに依存関係にあった。

・排卵隠蔽の進化的原因
	「秘められた排卵は不倫ゲームの強力な武器」

・本妻は愛人を極端に嫌う
・夫は本妻に隠して愛人を養う
「鳥類もこっそり不倫するのだ」

P308「嫉妬は人間にとって普遍的なものである」
「愛情と嫉妬は一枚のコインの表と裏であるにもかかわらず、愛情が賞賛される感情であり、嫉妬が軽蔑される感情であるという事実を考察した。それはどちらもセックスの所有権請求の一部だからである。…嫉妬が存在しなければ、関係は安定するどころか、不安定の原因にもなる。」
夫は妻の不貞に対して敏感であり、しばしば偏執狂的ですらある。
妻の不貞は罰せられ、夫の不貞は穏便に見られる社会が多い
	→夫による姦通は他人の子供が家庭内に入ることはないが、妻による不貞は他人の子供が家庭に入り込む可能性がある。

P312 富を争う配偶ゲーム
・社会の下層部(貧困層)
  娘が大切にされ、息子は口減らしされる。
  娘は富ある相続が可能、息子は困難(貴婦人と不貞をしない限り)
   →財産は多くが娘に相続
・社会の上層部(富裕層)
  息子が大切にされ、娘は修道院などへ追いやられる
  息子はより多くの女を孕ませて子孫を増やす可能性
  娘は何も残さない
   →財産は息子に相続
・男女がなしうる最高の成功=裕福な男の法定相続人をこしらえること

P315 中世の王権と教会の対立
・教会の固執
  離婚、再婚、養子縁組
  乳母制、性行為の規制
  7親等以内の異性との結婚による「近親相姦」
 →貴族・王族の繁殖や相続による<富の集中>の抑制

社会の階層化が進めば近親相姦が禁止される<富の集中の抑制>

P318
「富の集中はかつて(あるいは今もなお)、繁殖という目的を達成するための手段であった。自然淘汰において他の貨・幣・(傍点)は通用しないのである」

<繁殖成功度の最大化>という目的
雄の場合
・富と権力を集めて女を集め、自分の相続をさせよう
・富と権力を持った妻に子供を産ませ、それを相続させよう
雌の場合
・子供をよく扶養し富と権力を与える男を捕まえよう
・子供によい遺伝子(=富と権力を手に入れる力)を与えうる男を捕まえよう
・一致すれば尚よし


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第8章「心の性鑑別」

男女の心の進化の様相は異なる
←哺乳類は全て行動に雌雄の相違がある
←類人猿の特徴 オスは他のオスに対して攻撃的に振舞う
        交尾のチャンスを捜し求めるオス 
        赤ん坊に細心の注意を払うメス  には多大の報酬
←性による分業

男女の心理的特徴の相違
・少女は言語的作業に優れている
・少年は数学的作業に長けている
・少年は少女よりも攻撃的である
・少年はある種の視覚空間的作業に長けていて少女は他の作業に長けている

女性の社会洞察力の発展←配偶者の評価・選択

P329「人間が自分の得意なものに専門化し、自分の遺伝子に適した環境を作り出すという現象は、ボールドウィン効果という名で知られている」

心理的に異なる野望&異なる報酬 → 異なる心理

男女の心理的相違 ← テストステロンに反応する遺伝子 & 男性ホルモン

子宮内で六週目頃にテストステロンを多く浴び、男性的な脳(心)になる。
思春期にテストステロンを多く分泌するので、それが目覚める。



・イスラエルのキブツ組織
  壮大な実験→平等なんてムリ

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第9章

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第10章

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エピローグ