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CardWirthPy Reboot / Wsn.1

WSNシナリオの新機能(~Wsn.1)


そもそもWSNシナリオとは?

「WSNシナリオ」(または「WSN形式」のシナリオ)とは、CardWirthPyが再生できる独自形式のCardWirthシナリオです。拡張子.wsnを持つ単一のファイルの中に必要なデータが全て格納されており、展開せずにそのままプレイする事ができます。

シナリオの制作側から見ると、CardWirth 1.50までのシナリオで使える全ての要素に、いくつかの独自の要素を加えたものとなります。WSNシナリオの1バージョンである「Wsn.1」のシナリオは、CWXEditor 4以降で作成・編集する事ができます。

WSNシナリオを取り扱うにあたっては、いくつか注意すべき点があります。

  • WSNシナリオは、今のところ、CardWirthPy以外のCardWirthでプレイする事はできません。
    • WSNシナリオをCWXEditorを使ってCardWirth形式に変換する事は可能ですが、WSN形式独自の要素は変換の際に取り除かれます。
  • WSN形式独自の機能を使用しているカードは、CardWirthのデータへ逆変換する事ができません。
    • WSN独自機能を使ったカードが宿にあったりキャラクターが所持している場合は、逆変換中に取り除かれます(パーティやカードの所持者が取り除かれる事はありません)。

Adventurer's GUILDへのシナリオ登録について

groupAsk official fansiteAdventurer's GUILD(通称「ギルド」)は、CardWirthのシナリオの情報を集約・紹介する投稿型のWebサイトです。CardWirth界においては、ギルドに登録していないシナリオを特に「プライベートシナリオ」と呼ぶほど、公開したシナリオをここに登録する事が一般的でした。現在は「プライベート」側の数がだいぶ増えていたり、「ギルド」的機能を持つサイトが他にも存在しているなど、状況が変わっていますが、それでも「ギルド」は主要なシナリオ投稿サイトであり続けています。

運営者であるCardWirth愛護協会のご厚意により、Wsn.1形式のシナリオはAdventurer's GUILDに投稿・登録する事が可能です。作ったシナリオを実際に登録してみようという方は、以下の点に注意して投稿してください。

  • 投稿の際には対応エンジンタグが必須です。「PY仕様:wsn.1」という検索タグをつけてください。大文字・小文字の区別と、だけ全角である事に注意してください。
  • 作者コメントに、対応するエンジンの情報を記す事をお薦めします。具体的にはhttps://bitbucket.org/k4nagatsuki/cardwirthpy-rebootのURLを入れるとよいでしょう。

他の注意事項は、groupAsk official fansiteの投稿前の指差し確認を参照してください。


以下に、「Wsn.1」までのWSN形式の独自要素を紹介します。


BGM再生と効果音再生で音量を調節する(Wsn.1)

issue #269

BGMと効果音を再生するにあたって、音量を0~100%で指定する事ができるようになりました。50%に設定した場合、元の音声素材の半分の音量で再生されます。

BGM再生と効果音再生でループ回数を指定する(Wsn.1)

issue #269

BGMと効果音を再生する時、通常、BGMは無限にループし、効果音は1回だけ再生されますが、この再生回数を指定する事ができるようになりました。短いBGMを1回限り再生したい場合などに便利です。

BGM再生と効果音再生で再生チャンネルを指定する(Wsn.1)

issue #269

複数の音声を、異なるチャンネルで同時に再生できるようになりました。現在は、BGMと効果音をそれぞれ2チャンネルずつ再生する事ができます。これによって、背景に雨音を流しながら通常のBGMを同時に流すといった事が可能になります。

BGMと効果音のフェードイン・アウト(Wsn.1)

issue #269

フェードインしながら音声を再生できるようになりました。フェードインにかかる時間はミリ秒単位で指定できます。

  • BGMの再生中に、他のBGMをフェードイン指定して再生した場合、元のBGMがフェードアウトしながら新しいBGMがフェードイン再生されます。
  • 「BGM停止」をフェードイン指定する事で、それまで再生していたBGMをフェードアウトさせる事ができます。
  • 効果音をフェードアウトさせたい場合は、効果・初期化.wavをフェードイン指定して流してください。

キャストの所持カードや召喚獣召喚効果の召喚獣を参照で設定する(Wsn.1)

issue #288

CardWirthでは、キャストの所持カードや、召喚獣召喚効果で召喚されるカードを設定する時には、必ずデータ本体をコピーして格納する必要がありました。Wsn.1では、これを参照で設定する事ができます。

  • 参照で設定したカードは、元データを変更した時に改めて格納し直す必要がありません。
  • 参照を使用したカードを拠点(宿)へ持ち帰らせるにあたって特別な作業は必要ありません。必要なデータは自動的にシナリオから抽出されます。
  • 自分自身を無限に呼び出し続ける召喚獣のようなデータは従来実現不可能でしたが、参照設定により可能になります。

カード画像を複数重ねる(Wsn.1)

issue #292

カードに複数の画像を指定し、重ねて表示させる事ができるようになりました。店シナリオで、商品に値札のイメージを重ねて表示したい場合などに便利です。


カードと背景セルの前後位置を指定する(Wsn.1)

issue #301

レイヤという値を指定することにより、プレイヤーカード・メニューカード・エネミーカード・背景セルの前後の位置を指定できるようになりました。つまり、カードの手前に背景を表示したり、プレイヤーカードの前にメニューカードを表示したり、さらにその前に背景を表示したり、といった事が可能になります。

レイヤ値が大きい要素ほど手前に表示されます。ゲーム画面に表示される各要素の初期レイヤ値は以下のようになります。

  • 000 …… 背景セル
  • 100 …… メニューカード・エネミーカード
  • 200 …… プレイヤーカード
  • 1000 …… メッセージ

評価メンバ選択分岐(Wsn.1)

issue #294

メンバ選択分岐の条件に「評価条件」が追加され、CardWirth 1.50から台詞コンテントで使えるようになった「評価メンバ」と同様の方法でメンバ選択を行えるようになりました。

対象メンバ全員の評価点が0以下の場合、選択は失敗します。失敗した時の処理を作成する事もできます。


精神力回復効果で回復量を調節する(Wsn.1)

issue #326

これまで精神力に対する効果は完全に回復するか全て喪失するかのどちらかだけでしたが、固定値で何点回復するか・喪失するかが設定できるようになりました。


背景セルの再配置・置換・削除(Wsn.1)

issue #296

CardWirthNext 1.60にある機能と同様のものです。背景セルに名前をつけ、新しい3種類のイベントコンテントによって操作する事ができるようになりました。

  • 背景再配置コンテントでは、名前つきの背景セルを移動・サイズ変更する事ができます。
  • 背景置換コンテントでは、名前つき背景セルを削除し、別の背景セルに置換する事ができます。
    • 指定された名前の背景セルは全て削除されます。
    • 新しく配置する背景セルが複数ある場合は、最初に削除された背景セルの位置へまとめて挿入されます。
  • 背景削除コンテントでは、名前つきの背景セルを削除する事ができます。

いずれも、指定された名前の背景セルが存在しない場合は何もしません。

CardWirthNext 1.60では、エフェクトブースターに関して以下のような特殊な挙動がありますが、Wsn.1ではオプションによって再現する事ができます。

  • 背景再配置 …… JPY1アニメーションが実行される。エフェクトブースター関係のセルは再配置できない
  • 背景置換 …… JPY1アニメーションは実行されない。エフェクトブースター関係のセルは無視される
  • 背景削除 …… JPY1アニメーションは実行されない。エフェクトブースター関係のセルは削除できない

PCイメージを背景セルとして表示(Wsn.1)

issue #341

CardWirthNext 1.60にある機能と同様のものです。任意のプレイヤーキャラクターの画像を背景セルとして表示する事ができます。

CardWirthNext 1.60ではセルのサイズを変更しても表示される画像のサイズには反映されませんが、Wsn.1ではオプションにより表示サイズを変更する事ができます。


メッセージ選択肢の列の追加(Wsn.1)

issue #363

CardWirthNext 1.60にある機能と同様のものです。メッセージの下部に表示される選択肢を、1~4列で表示する事ができるようになりました。


任意数ステップ(Wsn.1)

ステップの段階数を任意に設定する事ができます。Wsn.1よりも前から存在する機能ですが、バグとエディタの対応状況によって10段階以外のステップは事実上使用できない状態でした。最新のCardWirthPyとCWXEditorでようやく使用可能になりました。

任意数キーコード(Wsn.0)

CardWirthPyの初期のバージョンから実装されているWsn.0から使用できる機能です。カードにキーコードをいくつでも設定する事ができます。

背景変更・エリア移動・背景更新で背景切替方式を指定する(Wsn.0)

CardWirthPyの初期のバージョンから実装されているWsn.0から使用できる機能です。プレイヤーの設定によらず、背景が変更される時の切替方式と切替速度を指定する事ができます。

キャスト・特殊技能・アイテム・召喚獣・情報カードのイメージを参照で設定する(Wsn.0)

CardWirthでは、メニューカードを除く各種カードのイメージを格納で設定するようになっていますが、WSN形式では、全て参照で設定するようになっています。参照で設定する事により、イメージを編集した後で格納し直すなどの作業が不要になります。


参照された素材をカードと同時に拠点(宿)へ持ち帰る(CardWirthPy)

これはCardWirth形式のシナリオに対しても適用されるCardWirthPyの機能です。特殊技能・アイテム・召喚獣カード内で参照されている各種ファイルは、カード本体と一緒に拠点(宿)へ持ち帰る事ができます。これは自動的に行われるため、プレイヤーが特別な操作をする必要はありません。

対象となるファイルには以下のようなものがあります。

  • カードのイメージ
  • 使用時イベント内で使用されている背景セルのイメージ
  • 使用時イベント内で使用されているBGM
  • カード本体や使用時イベント内で使用されている効果音
  • 使用時イベント内のメッセージで使用されている特殊文字イメージ
  • JPY1ファイルから参照されているイメージや効果音

音声のループ位置を指定する(CardWirthPy)

これはCardWirth形式のシナリオに対しても適用されるCardWirthPyの機能です。いくつかの方式によって、音声のループ開始・終了位置を指定する事ができます。


このページのスクリーンショットに表示されているシナリオのリソースは、groupAsk様によって作成され、CardWirth愛護協会様によって配布されている「CardWirth ver1.50 Fullpack」に入っているものです(シナリオ「モンスター図鑑+」及びその他のリソース)。ReadMe_1st_Full.txt内の「● 著作権/免責/転載に関して」節の内容に基づいてスクリーンショット内に使用しています。

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